ADHDのある中学生が数学の途中でわからなくなるのはなぜ?複数の手順がある問題の解き方
簡単な計算ならできるのに、途中式が長くなると「何をしていたんだっけ?」とわからなくなることはありませんか。
最初は合っていたのに、途中から符号を間違えたり、方程式で次に何をすればいいのかわからなくなったりすることもあるかもしれません。
ADHD(注意欠如・多動症)のある人の中には、いくつかの情報を頭の中に置いたまま次のことを考えたり、複数の手順を順番に進めたりすることに負担を感じる人がいます。
数学では、こうした力を使う場面がたくさんあります。
そのため、一つひとつの計算方法はわかっているのに、手順が増えると途中で混乱してしまうことがあります。
そんなときに大切なのは、難しい問題を頭の中だけで何とかしようとすることではありません。
頭の中で一度に考えなければならないことを減らすのがポイントです。
途中の計算結果や、今やっていることを紙に残しておけば、すべてを覚えておく必要がなくなります。
この記事では、文字式、一次方程式、文章題を実際に解きながら、「どこでわからなくなりやすいのか」「どう書けば途中で迷いにくくなるのか」を考えていきます。
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数学の途中でわからなくなるのは「計算ができない」からとは限らない

数学の問題が最後まで解けなかったからといって、最初から全部わかっていないとは限りません。
一つひとつの計算はできても、それを正しい順番で続けていくところで止まっていることがあります。
1つずつならできても、手順が増えると難しくなることがある
たとえば、次のことを一つずつ聞かれたらどうでしょう。
3をxにかける。 3を−2にかける。 3xと−4xをまとめる。 −6と−2を計算する。
一つずつならできる人も多いでしょう。
ところが、これらが一つの式の中に入るとどうでしょうか。
3(x − 2) − 2(2x + 1)
急に難しく感じるかもしれません。
この式では、計算そのものが急に難しくなったというより、「かっこを外す」「符号を確認する」「同類項を見つける」「同類項をまとめる」といういくつもの作業を、順番に進める必要があります。
だから、「文字式が全然わからない」と考える前に、どの作業まではできて、どこからわからなくなったのかを探してみることが大切です。
数学では「前の結果を覚えながら次を考える」場面が多い
複数の手順がある数学の問題では、前に計算した結果を使って次へ進みます。
文章題でも同じです。
何を求める問題なのかを確認し、必要な数字を探し、その数字の関係を考えて式を作り、最後に計算します。
これらを全部頭の中だけで行おうとすると、途中で「さっき何を求めようとしていたんだっけ?」「この数字は何に使うんだっけ?」となることがあります。
そんなときは、途中式や短いメモを終わった作業の記録として使えます。
紙を見れば前の結果を確認できるので、それをずっと覚えておく必要がなくなります。
どの段階で止まったのかを見つけることが大切
問題を間違えたときに「全部わからない」で終わらせてしまうと、何を練習すればいいのかもわかりません。
そこで、最初に止まったところを探してみます。
文字式なら、「展開」「符号」「同類項」。
方程式なら、「整理」「両辺の操作」「計算」。
文章題なら、「何を求める?」「必要な情報は?」「どんな関係?」「どんな式?」。
たとえば、かっこを外すところまでは合っていて、同類項をまとめるところだけ間違えたとします。
それなら、分配法則から全部やり直す必要はありません。
自分が止まりやすい場所がわかれば、練習するところも絞れます。
ADHDの特性は複数の手順がある数学の問題にどう関係する?

ADHDがあるから数学が苦手になる、というわけではありません。
数学が得意な人もいれば、計算は得意だけれど文章題が苦手な人、図形が得意な人など、得意・不得意は人によって違います。
ただ、ADHDの特性によっては、数学でいくつもの手順を続けるときに負担が大きくなることがあります。
ワーキングメモリは「覚えながら考える」ときに使われる
「ワーキングメモリ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ワーキングメモリとは、必要な情報を少しの間覚えておきながら、その情報を使って考える働きです。
たとえば、
3(x − 2) − 2(2x + 1)
を計算するときには、左のかっこを展開した結果を使いながら、右のかっこも処理していきます。
文章題なら、「何を求めるのか」を覚えながら、問題文から必要な数字を探します。
このようなときにもワーキングメモリを使います。
多くの研究結果をまとめて調べた研究では、ADHDのある子どもや10代では、ADHDのない人と比べて、ワーキングメモリを使う課題で難しさが見られることが報告されています。
参考資料 : https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15782085/
ただし、これはADHDのある人全員に当てはまるわけではありません。
ADHDがあっても、こうした課題を得意とする人はいます。
数学をしていて「前に計算したことが途中で抜ける」と感じるなら、覚えておく代わりに途中結果を紙に残す方法を試してみると、現在地を確認しやすくなります。
注意がそれると「どこまでやった?」となることがある
計算している途中で、周りの音が気になったり、別のことを考えたりすることもあります。
そのあと問題へ戻って、「右のかっこはもう計算した?」「どこまで終わったんだっけ?」となった経験がある人もいるでしょう。
計算方法そのものを忘れたのではなく、作業の現在地がわからなくなっているのかもしれません。
そんなときは、終わった部分に小さな印を付けておく方法があります。
たとえば、3(x − 2) の計算が終わったら、その部分に小さく印を付けます。
そうすれば、途中で注意がそれても、戻ったときに「ここまでは終わった」と確認できます。
印の種類をたくさん作る必要はありません。
自分が見てすぐに意味がわかる、少ない種類の印にしておくと使いやすいでしょう。
手順を順番に進めることに負担がかかる場合がある
ADHDについて調べると、「実行機能」という言葉も出てきます。
実行機能とは、やることを決めたり、順番を考えたり、途中でやり方を調整したりしながら、目標まで進むために使う働きのことです。
研究では、ADHDと実行機能との関係が報告されています。
参考資料 : https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15950006/
ただし、これもADHDのある人全員が同じように苦手という意味ではありません。
数学で考えてみましょう。 方程式なら、
展開する → 整理する → xを含む項を一方にまとめる → 数をもう一方にまとめる
→ xを求める
というように、いくつかの作業を順番に行います。
この順番を毎回頭の中だけで確認するのが大変なら、問題の横に、
展開 → 整理 → x → 数 → 確認
などと短く書いておく方法があります。
次に何をするか忘れても、紙を見れば確認できます。
ADHDがあっても数学の得意・不得意は人によって違う
ここまで読んで、「ADHDだから自分は数学ができないんだ」と考える必要はありません。
ADHDのある人でも、困る場所はそれぞれ違います。
途中の結果を忘れやすいなら、途中式を残す。
順番がわからなくなりやすいなら、手順を短く書いておく。
文章題で必要な情報を選びにくいなら、何を求めるのかと必要な数字を分けて確認する。
大切なのは、「ADHDならこの方法」と決めることではなく、自分はどの場面で止まりやすいのかを見つけることです。
途中式の多い計算では「1回に1つの処理」に分けよう

途中式の多い計算では、いくつものことを一度にしようとせず、作業を分けてみましょう。
途中式は、先生に見せるためだけに書くものではありません。
自分がどこまで進んだのかを残しておくためにも使えます。
文字式は展開・符号・同類項を一度に処理しない
ここまで例に出してきた、次の文字式を実際に計算してみましょう。
3(x − 2) − 2(2x + 1)
この問題では、「かっこを展開する」「符号を確認する」「同類項をまとめる」という作業が必要です。
全部を一気に計算しようとせず、1つずつ順番に進めます。
まず、かっこを一つずつ展開します。
3(x − 2) = 3x − 6
次に、−2(2x + 1)を展開します。
かっこの前にある−2を、かっこの中の2xと1の両方にかけます。
−2(2x + 1)
= −2 × 2x − 2 × 1
= −4x − 2
これで、二つのかっこの展開が終わりました。
元の式を書き直すと、
3x − 6 − 4x − 2
となります。
ここまで書いてから、次は同類項をまとめます。
= (3x − 4x) + (−6 − 2)
= −x − 8
このように、「展開する」と「同類項をまとめる」を同時に行わず、1つの作業が終わってから次の作業へ進みます。
「今は展開する」「次は同類項をまとめる」というように、することを分けると、複数の手順がある式でも順番を追いやすくなります。
途中式は頭の中の情報を紙に移すために書く
途中式を書くのは、計算の過程をきれいに見せるためだけではありません。
途中まで計算した結果を紙に残しておけば、その結果を頭の中で覚え続けなくても、見れば確認できます。
先ほどの式では、かっこを展開したあとに、
3x − 6 − 4x − 2
と書きました。
この式が紙に残っていれば、「最初のかっこを展開すると何になった?」「次のかっこはどうなった?」と、頭の中でもう一度思い出す必要はありません。
紙に書かれた式を見ながら、次の「同類項をまとめる」という作業に進めます。
また、途中でわからなくなったときにも、途中式が残っていれば、どこまで計算したのかを確認できます。
最初からやり直すのではなく、自分が最後にできたところから続きを考えられます。
途中式は、頭の中だけで覚えておく情報を減らし、今どこまで進んでいるのかを確認するための記録として使うことができます。
1つの処理が終わったら次の行へ進む
同じ行の中で、展開も整理も計算も全部してしまうと、間違えたときに「どこで違った?」が見つけにくくなります。
そこで、作業が変わるところで行を変えてみます。
展開した行。 同類項を見つけた行。 計算した行。
このように残しておけば、あとから前の行と比べられます。
慣れてきて間違えなくなったところは、省略してもかまいません。
自分が間違えやすいところは、少し丁寧に残すと見直しやすくなります。
途中でわからなくなったら最後にできた行まで戻る
途中でわからなくなったとき、問題の最初まで戻る必要はありません。
自分で「ここまでは合っている」と確認できる最後の行を探します。
たとえば、
3x − 6 − 4x − 2
までは正しいとわかったとします。
それなら、かっこの展開をもう一度やる必要はありません。
次の「同類項をまとめる」ところから確認できます。
先生に質問するときにも、「全部わかりません」ではなく、「ここまではできたけれど、どの項をまとめるのかわかりません」と伝えやすくなります。
方程式は「何をする?」ではなく「どんな形にしたい?」から考えよう

方程式の途中で「次に何をすればいいんだっけ?」とわからなくなったとき、解き方の手順を最初から全部思い出そうとしなくてもかまいません。
学校で習った解き方を使いながら、最終的にどんな形にしたいのかを確認すると、次にすることを考えやすくなります。
まずはゴールの「x=数」を確認する
中学1年で学ぶ一次方程式を見てみましょう。
2(x − 3) + 5 = 3x − 4
方程式では、最終的に、
x = 数
という形にして、xの値を求めます。
まず、左辺のかっこを外して整理します。
2x − 6 + 5 = 3x − 4
2x − 1 = 3x − 4
ここで「次の手順は何だった?」と考えて止まってしまったら、ゴールのx = 数と今の式を見比べてみます。
今は左辺にも右辺にもxがあります。
そこで、学校で習った移項を使って、xを含む項を片側に、数の項を反対側にまとめます。
2x − 3x = −4 + 1
−x = −3
両辺を−1で割ると、
x = 3
となります。
方程式の手順をすべて頭の中で覚えておこうとするのではなく、「最後はx=数にする」とゴールを確認してから、今の式で次に何をすればよいかを考えるのがポイントです。
移項するときは「どの項を動かすか」を確認する
移項するときに符号を間違えやすい場合は、一度に式全体を変えようとせず、どの項を移項するのか確認してみましょう。
先ほどの、
2x − 1 = 3x − 4
では、右辺の3xを左辺へ、左辺の−1を右辺へ移項しています。
そのため、
2x − 3x = −4 + 1
となります。
3xは−3xに、−1は+1に変わっています。
移項するときに符号が変わるところで間違えやすいなら、「何を移項した?」「符号を変えた?」と確認してから計算すると、どこで間違えたのかも見つけやすくなります。
符号がわからなくなったら「両辺に同じ操作」まで戻って確認する
「移項すると符号が変わることは覚えているけれど、途中でどの符号にすればいいのかわからなくなる」という場合もあるでしょう。
そんなときは、新しい解き方を覚える必要はありません。
移項のもとになっている「等式の両辺に同じ数や式を加えたり引いたりしても、等式は成り立つ」という考え方まで戻って確認できます。
たとえば、
2x − 1 = 3x − 4
で、右辺の3xを左辺へ移項すると−3xになる理由がわからなくなったとします。
この場合は、両辺から3xを引くところを書いてみます。
2x − 1 − 3x = 3x − 4 − 3x
右辺の3xがなくなるので、
2x − 3x − 1 = −4
となります。
これが、移項すると3xが−3xになる理由です。
普段は学校で習った移項を使って解き、符号がわからなくなったときだけ、両辺に何をしたのかを書いて確かめるという使い方でかまいません。
最後は元の式に戻して答えを確かめる
最後に、x = 3を元の式に代入して確かめます。
左辺を計算すると5、右辺を計算しても5になります。
左辺と右辺が同じになるので、x = 3で合っていることが確認できます。
方程式の途中でわからなくなったときは、学校で習った解き方とは別の方法を新しく覚える必要はありません。
まずは「最後はx=数にする」というゴールを確認し、学校で習った移項を使って進めます。
移項する項や符号がわからなくなったときには、その部分だけ「両辺に同じ操作をする」という移項のもとの考え方まで戻って確認すれば、どこで迷ったのかを見つけやすくなります。
文章題は「読む・考える・計算する」を分けよう

文章題では、「問題文を読む」「何を求めるのか確認する」「数量の関係を考える」「式を作る」「計算する」という、いくつもの作業が必要です。
文章題を読みながら、同時に式や答えまで考えようとすると、途中で「何を求める問題だった?」「この数字は何を表していた?」とわからなくなることがあります。
そんなときは、文章題を最初から最後まで一気に解こうとせず、することを順番に分けてみましょう。
最初に「何を求める問題なのか」を確認する
次の問題を考えてみます。
「同じ値段のノートを3冊と、1本150円のペンを2本買ったところ、代金は900円でした。ノート1冊の値段はいくらですか。」
すぐに計算を始めるのではなく、最初に「何を求める問題なのか」を確認します。
この問題で求めるのは、「ノート1冊の値段」です。
そこで、
ノート1冊の値段をx円とする
と書いておきます。
こうして求めるものを最初に書いておけば、問題を解いている途中で「何を求めるんだっけ?」となったときにも、見て確認できます。
問題文の数字が何を表しているのか整理する
次に、問題文に出てくる数字を確認します。
ノートは3冊。
ペンは1本150円で2本。
全部の代金は900円です。
数字だけを見るのではなく、それぞれが何を表しているのかを確認することが大切です。
ノート1冊の値段はx円なので、ノート3冊分は、
3x円
です。
ペンは1本150円を2本買っているので、
150 × 2
で、300円です。
このように、問題文を読んですぐに方程式を作ろうとせず、まず「どの数字が何を表しているのか」を一つずつ整理します。
数量の関係を言葉で整理してから式を作る
数字の意味が確認できたら、次はそれぞれがどのような関係になっているのかを考えます。
この問題では、
ノート3冊分 + ペン2本分 = 全部の代金
という関係になっています。
この段階では、まだ計算しなくてもかまいません。
まず言葉で関係を整理してから、それぞれを数字や文字に置き換えます。
ノート3冊分は3x、ペン2本分は150 × 2、全部の代金は900円なので、
3x + 150 × 2 = 900
という方程式を作ることができます。
文章題を読んだ瞬間に式を作ろうとすると難しく感じる場合でも、
「何を求める?」
「数字は何を表している?」
「どんな関係になっている?」
と順番に整理すると、式を作るまでの道筋を確認しやすくなります。
式ができてから計算を始める
方程式ができたら、ここから計算を始めます。
3x + 150 × 2 = 900
3x + 300 = 900
3x = 600
x = 200
したがって、ノート1冊の値段は200円です。
最後に、求めた200円を使って確かめます。
ノート3冊分は、
200 × 3 = 600
ペン2本分は、
150 × 2 = 300
なので、
600 + 300 = 900
となり、問題文にある代金900円と一致します。
文章題では、問題文を読みながら、式を作ったり計算したりするところまで全部を同時に進める必要はありません。
「何を求める?」→「数字は何を表している?」→「どんな関係?」→「式にする」→「計算する」
というように作業を分ければ、途中でわからなくなったときにも、「自分はどの段階で止まったのか」を見つけやすくなります。
数学のミスは「答え」ではなく「どの手順で間違えたか」を確認しよう

答え合わせでは、「○か×か」だけを見るのではなく、最初にどこで正しい式からずれたのかを探してみましょう。
そこがわかれば、何を練習すればいいのかも見つけやすくなります。
答え合わせでは最初に間違えた行を探す
たとえば、自分の答えが、
−x − 4
だったとします。
正解は、
−x − 8
です。
最後の答えだけを見ても、何を間違えたのかわかりません。
そこで、自分の途中式と正しい途中式を上から比べます。
もし、
3x − 6 − 4x − 2
までは同じだったのに、その次から違っていたら、展開はできています。
間違えたのは、そのあとの計算です。
この場合、分配法則から全部練習し直す必要はありません。
−6 − 2の計算を確認すればいいとわかります。
計算ミスと手順の選び間違いを分ける
同じ不正解でも、間違えた理由は違います。
たとえば、−6 − 2を−4としてしまった場合、同類項をまとめるという手順は合っていますが、整数の計算で間違えています。
一方で、かっこを展開する前に3xと2xをまとめようとしたなら、計算ではなく手順を選ぶところで間違えています。
前者なら「計算」。 後者なら「手順」。
問題の横に短く書いておくと、自分がどんなところで間違えやすいのか見つけやすくなります。
同じ場所で間違えるなら自分用のチェックを作る
何問か解いていて、同じ種類の間違いが出てきたら、それを自分用のチェックにできます。
かっこの前がマイナスのときに間違えやすいなら、
「マイナスをかっこの中の全部にかけた?」
文章題で必要のない数字まで使ってしまうなら、
「この数字は何を求めるために使う?」
方程式で操作を飛ばしてしまうなら、
「左右に同じことをした?」
というようにします。
「気をつける」「よく見る」だけでは、何をすればいいのかわかりにくいものです。
自分が実際に確認できる言葉にしておくのがポイントです。
解き直すときは答えを覚えるのではなく間違えた手順をやり直す
解説を読んだ直後は、答えを覚えていることがあります。
その状態ですぐに同じ問題を解くと、本当に解き方がわかったのか、答えを覚えていただけなのかわかりません。
まずは、自分が最初に間違えたところを確認します。
同類項をまとめるところで間違えたなら、
3x − 6 − 4x − 2
のところから、もう一度自分で考えてみます。
そのあと少し時間を空けて、元の問題を最初から解いてみます。
同じ手順を自分で選べれば、「どうやって解くのか」が少しずつ身についてきたことを確認できます。
複雑な問題ほど「頭の中で頑張らない」解き方に変えよう

手順が多い問題ほど、全部を頭の中で覚えて進めようとしなくてもかまいません。
途中結果や手順を紙に残して、頭の中で同時に考えることを減らす方法があります。
途中式を省略しない
途中式をたくさん書くと、「時間がかかる」と感じるかもしれません。
でも、途中でわからなくなって最初からやり直したり、符号を何度も確認したりするなら、途中式を残した方が進めやすいこともあります。
全部を細かく書く必要はありません。
自分が間違えやすいところや、あとから見直したいところを残します。
「先生に言われたから途中式を書く」ではなく、自分が途中から戻れるように書くと考えてみると、途中式の使い方が変わります。
問題用紙をメモとして使う
問題用紙の余白は、計算するためだけの場所ではありません。
「どこまで終わったか」を残す場所としても使えます。
文字式なら、終わったかっこに印を付ける。
方程式なら、行の横に「展開」「整理」などと書く。
文章題なら、「求めるもの」「使う数字」を書く。
頭の中に置いておく情報を、紙の上へ少しずつ移していきます。
手順が多い問題は小さな作業に分ける
問題を小さく分けるというのは、簡単な問題に変えることではありません。
同じ問題を、一度に一つずつ処理するということです。
文字式なら、「まず左のかっこを展開する」。
次に、「右のかっこを展開する」。
方程式なら、「まず展開する」。 それが終わったら、「次は整理する」。
文章題なら、「まず何を求めるか確認する」。
それから、「必要な数字を探す」。
全部を一度に考えなくても、最後まで同じ問題を解くことはできます。
自分が間違えやすい場所だけ確認する仕組みを作る
自分がよく間違えるところがわかってきたら、短く記録しておく方法もあります。
たとえば、
文字式|マイナスの分配|全部の項にかけた?
方程式|両辺の操作|左右に同じことをした?
文章題|情報選び|この数字は何に使う?
というようにします。
全部の注意点を覚えるのではなく、自分が実際に間違えやすいところを確認するためのメモです。
できるようになったものは外してかまいません。
また、学校の授業やテストで、「途中の手順を見失ってしまう」「問題用紙の使い方に困る」など、自分だけでは解決しにくいことがある場合は、先生に相談する方法もあります。
「数学が苦手です」だけではなく、「方程式で途中の操作がわからなくなることがあります」「文章題で必要な情報を整理するのに時間がかかります」など、どこで困っているのかを伝えると、先生とも対策を考えやすくなります。
まとめ
ADHDのある中学生が数学の途中でわからなくなるとき、計算する力そのものが足りないとは限りません。
文字式や方程式、文章題では、前の結果を少しの間覚えておいたり、次に何をするか決めたり、いくつもの手順を順番に進めたりする必要があります。
ADHDの特性によっては、こうした場面で負担が大きくなることがあります。
そんなときは、頭の中だけで頑張って覚え続けるのではなく、途中の情報を紙に残してみましょう。
文字式なら、展開と同類項をまとめる作業を分ける。
方程式なら、途中の操作を省略せずに残す。
文章題なら、「何を求めるか」「必要な情報」「数量の関係」「式」「計算」を分ける。
そして間違えたときには、答えだけを見るのではなく、どこまでは正しくできて、最初にどこで違ったのかを探します。
「展開まではできた」 「両辺の操作でわからなくなった」
「文章から必要な数字を選ぶところで止まった」
ここまでわかれば、数学を全部最初からやり直す必要はありません。
自分が止まりやすいところだけを練習できます。
複数の手順がある問題に出会ったら、まずは「今することは一つだけ」と考えてみてください。
途中式やメモは、きれいな答案を作るためだけのものではありません。
今どこにいるのかを残し、次にすることを見つけるための道具としても使えますよ。
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