中学校がしんどいと感じたら|発達障害のある子がつらさを感じる理由と、学校生活を楽にするヒント
中学校に入ってから、なんだか毎日しんどいな、と感じていませんか?
朝起きるのがつらかったり、授業についていくのが大変だったり、周りの友達と合わせるのに疲れたり。
小学校の頃はそこまで感じなかったのに、中学生になってから急に学校が大変に思えてきた人もいるかもしれません。
もしあなたがそう感じているなら、それはあなただけではありません。
特に、発達障害やグレーゾーンと言われる特性を持つ人は、中学校という環境で疲れやすかったり、戸惑うことが多かったりします。
でも、なぜそう感じるのか、どうすれば少し楽になるのかを知ることで、毎日がちょっとずつ過ごしやすくなることもあります。
この記事では、中学校がしんどく感じる理由と、学校生活を少しでも楽にするための工夫を紹介します。
全部やる必要はありません。
読んでみて「これならできそう」と思ったものから、少しずつ試してみてください。
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目次
中学校がしんどく感じるのはなぜ?まず理由を知ろう

中学校に入ってからしんどくなったのには、ちゃんと理由があります。
「自分がダメなんだ」と思う必要はありません。
まずは、どうして中学校がつらく感じるのか、その理由を一緒に見ていきましょう。
小学校と比べて環境が大きく変わるから
中学校は、小学校とは環境がかなり違います。
たとえば、教室を移動する回数が増えたり、担任の先生だけでなくいろいろな先生と関わるようになったり、部活動が始まったりします。
クラスの人数が増える学校もあります。
こうした変化は、誰にとっても少しは大変なものです。
でも、発達障害のある人にとっては、特に疲れやすい変化でもあります。
なぜなら、「慣れるまでに時間がかかる」「予想外のことが起きると混乱しやすい」という特性があるからです。
小学校では6年間かけて慣れてきたルールや流れが、中学校ではまた最初からやり直しになります。
それだけでも、心と体にはかなりの負担がかかっているのです。
授業のスピードが速いと感じやすい
中学校の授業は、小学校よりもどんどん進んでいきます。
先生が話す内容も増え、教科書のページもたくさん進みます。
そのスピードについていくのが大変だと感じる人は少なくありません。
発達障害のある人の中には、聞きながら同時にメモを取るのが苦手だったり、先生の説明を聞いているうちに途中で分からなくなったりする人もいます。
また、一度理解できなかったところがあると、そのあとの説明もついていけなくなることがあります。
黒板の写し方やノートの情報量が増える
中学校の授業では、黒板に書かれる内容も増えます。
図や表、補足の説明など、小学校より複雑な情報が一度に示されることも多くなります。
発達障害の特性として、「どこが大事な情報か分からない」「全部写そうとして時間が足りなくなる」「字を書くのに集中すると、先生の話が聞こえなくなる」といったことが起こりやすくなります。
そうすると、授業の内容が理解できないまま次の時間に進んでしまい、だんだんとついていけなくなってしまうのです。
音・におい・人の多さで疲れやすい
教室の中には、いろいろな音があります。
先生の声、友達の話し声、机や椅子のこすれる音、廊下を歩く人の足音、外の工事の音など。それに加えて、給食や掃除のにおい、教室の蛍光灯の光なども、実はあなたの感覚に影響を与えています。
発達障害のある人の中には、こうした音やにおい、光に敏感な人が多くいます。
これは「感覚過敏」と呼ばれるもので、周りの人が気にならないようなことでも、あなたにはとても強く感じられることがあります。
たとえば、教室がざわざわしているだけで頭が痛くなったり、特定のにおいで気持ち悪くなったりすることがあります。
こうした刺激が積み重なると、授業に集中できなくなったり、学校にいること自体が疲れてしまったりします。
先生の指示が分かりにくく感じることがある
「次のページを開いて、大事なところに線を引いておいてね」
「これ、後で使うから取っておいて」
「今日の宿題は、昨日の続きをやってくること」。
先生はこんな風に指示を出しますが、発達障害のある人にとっては、この指示がとても分かりにくいことがあります。
「次のページ」って何ページ?
「大事なところ」ってどこ?
「後で」っていつ?
「昨日の続き」ってどこから?
こういった疑問が次々に浮かんで、何をすればいいのか分からなくなってしまうのです。
また、先生が一度にいくつものことを言うと、最初の指示を覚えているうちに次の指示を忘れてしまうこともあります。
周りの友達は当たり前のようにやっているのに、自分だけ分かっていないと感じると、とてもつらくなります。
人間関係が小学生より複雑に感じる
中学生になると、人間関係も少し複雑になってきます。
小学校の頃のように、ただ一緒に遊ぶだけの関係ではなくなってきます。
グループができたり、空気を読むことが求められたり、冗談や皮肉が増えたりします。
発達障害のある人の中には、相手の気持ちを読み取るのが苦手だったり、言葉の裏にある意味が分からなかったりする人もいます。
たとえば、友達が「別にいいよ」と言ったときに、本当は嫌だったのに気づけないことがあります。
また、グループで話しているときに、いつ自分が話せばいいのか分からなかったり、話題についていけなかったりすることもあります。
こうしたことが積み重なると、人と関わること自体が疲れてしまい、休み時間も気が休まらなくなってしまいます。
つらいのは「自分のせいじゃない」と知ってほしい

ここまで読んで、「やっぱり自分はダメなんだ」と思ってしまった人もいるかもしれません。
でも、それは違います。
つらく感じるのは、あなたのせいではありません。
ここでは、そのことをしっかりと伝えたいと思います。
がんばっていても疲れやすいことがある
発達障害のある人は、周りの人と同じことをしていても、もっと疲れやすいことがあります。たとえば、授業をじっと座って聞いているだけでも、集中し続けるのに人一倍のエネルギーを使っているかもしれません。
周りの人には「普通にやっているだけ」に見えることが、あなたにとっては「すごくがんばっている」ことかもしれないのです。
そのことは、周りの人にはなかなか分かりません。
だからこそ、「もっとがんばれ」と言われると、とても苦しくなります。
でも、実際にはあなたはすでに十分にがんばっています。
疲れやすいのは、サボっているからではなく、脳の働き方の違いによるものです。
自分を責める必要はありません。
誤解されやすいだけで、悪気があるわけではない
発達障害のある人は、時々周りから誤解されることがあります。
たとえば、「やる気がない」「ふざけている」「わざと言うことを聞かない」と思われてしまうことがあります。
でも、実際にはそうではありません。
聞こえていなかっただけ、理解できなかっただけ、体が思うように動かなかっただけ、ということがほとんどです。
悪気があってやっているわけではないのに、そう思われてしまうのは、とてもつらいことです。
誤解されやすいのは、あなたの伝え方や行動の仕方が、周りの人の予想と少し違うからです。
でもそれは、あなたが悪いわけでも、相手が悪いわけでもありません。
ただ、お互いの感じ方や考え方が違うだけなのです。
できることと苦手なことの差が大きくても大丈夫
発達障害のある人の中には、「できること」と「できないこと」の差がとても大きい人がいます。
たとえば、数学は得意だけど国語が苦手、絵を描くのは上手だけど体育が苦手、といった感じです。
周りの人からすると、「これができるなら、これもできるはず」と思われることがあります。
でも、実際にはそうではありません。
得意なことと苦手なことの差が大きいのは、発達障害の特徴のひとつです。
だから、「これはできるのに、どうしてこれはできないの?」と言われても、落ち込む必要はありません。
人にはそれぞれ得意なことと苦手なことがあります。
その差が大きいことは、おかしなことでも恥ずかしいことでもないのです。
自分を責めすぎるともっとしんどくなる理由
「自分がダメだから」「もっとがんばらないと」と自分を責め続けていると、心がどんどん疲れてしまいます。
そうすると、さらに学校に行くのがつらくなったり、体調を崩してしまったりすることもあります。
自分を責めることは、何も良いことを生みません。
むしろ、エネルギーを奪ってしまいます。
今、あなたがしんどいのは、あなたが悪いからではなく、環境との相性が合っていないからです。
相性が合わないときは、環境を少し変えたり、自分のやり方を工夫したりすることで、楽になることがあります。
自分を責めるのではなく、「どうしたら楽になるか」を考える方が、ずっと役に立ちます。
学校生活を少し楽にするためにできる工夫

ここからは、学校生活を少しでも楽にするための具体的な工夫を紹介します。
全部やる必要はありません。
できそうなものから、少しずつ試してみてください。
朝の準備や持ち物は「見える形」にしておく
朝、学校に持っていくものを忘れたり、準備に時間がかかったりすることはありませんか?
発達障害のある人の中には、「何を持っていけばいいか思い出せない」「どこに何があるか分からなくなる」という人がいます。
そんなときは、持ち物リストを作って、玄関や部屋のドアなど、毎朝必ず見る場所に貼っておくと便利です。
リストには、「教科書」「ノート」「筆箱」「体操服」など、持っていくものを書いておきます。
また、カバンの中身を前の日の夜に準備しておくのもおすすめです。
朝は頭が働きにくいので、夜のうちに準備しておくと、朝の負担が減ります。
時間割を見ながら、ひとつずつ確認してカバンに入れていきましょう。
ノートは全部きれいに書こうとしなくてよい
授業中のノートは、全部きれいに書こうとしなくて大丈夫です。
黒板に書かれたことを全部写そうとすると、時間がかかって授業についていけなくなることがあります。
大切なのは、「後で見返したときに分かること」です。
きれいな字でなくても、自分が読めればそれで十分です。
先生が「ここは大事」と言ったところや、自分が「あとで復習したい」と思ったところだけメモする、という方法もあります。
写すところと写さなくてもよいところの考え方
黒板には、いろいろな情報が書かれています。
でも、全部が同じくらい大事というわけではありません。
たとえば、先生が「ここはテストに出る」と言ったところや、太字で書かれているところは大事な情報です。
一方で、例や補足の説明は、後で教科書を見れば分かることもあります。
もし書くのが間に合わないときは、「教科書の○ページ参照」とだけメモしておいて、後で確認するという方法もあります。
また、友達のノートを写真に撮らせてもらったり、先生に「ここはノートに書いた方がいいですか?」と聞いたりするのもひとつの方法です。
遠慮せずに確認してみましょう。
黙って座っている時間がつらい時の過ごし方
授業中、ずっと座っていると体がムズムズしたり、集中できなくなったりすることはありませんか?
発達障害のある人の中には、じっとしているのが苦手な人もいます。
そんなときは、体を少し動かす工夫をしてみましょう。
たとえば、足を床につけたり離したりする、足の指を動かす、背筋を伸ばして深呼吸をする、といった小さな動きでも、気分が少し楽になることがあります。
また、手元で触れるものを持っておくのもおすすめです。
消しゴムを軽く握ったり、鉛筆を回したりするだけでも、落ち着くことがあります。
ただし、音が出たり目立ったりしない方法を選びましょう。
授業の「見通し」を持つと気持ちが楽になる
「この授業があとどれくらい続くのか分からない」という状態は、とても不安になります。
発達障害のある人は、見通しが持てないと不安になりやすいという特徴があります。
時計を見て、「あと15分で終わる」と確認するだけでも、気持ちが楽になることがあります。
また、先生が「今日はこの3つをやります」と最初に言ってくれると、見通しが持てて安心できます。
もし先生が言わない場合は、教科書の目次を見て、「今日はこのページからこのページまでかな」と予想してみるのもよいでしょう。
授業前にできる簡単な準備
授業が始まる前に、少しだけ準備をしておくと、授業が楽になります。
たとえば、教科書の今日やるページをパラパラと見ておく、難しそうな言葉があったらチェックしておく、前の時間にやったところをざっと振り返っておく、といったことです。
これは、ほんの1〜2分でできることです。
でも、この少しの準備があるだけで、授業の内容が理解しやすくなったり、「何を言っているのか全然分からない」という状態を避けられたりします。
科目ごとの苦手対策
科目によって、苦手なポイントは違います。
たとえば、
国語が苦手な人は、登場人物の気持ちが分かりにくいかもしれません。
そんなときは、登場人物の名前と簡単な特徴をメモしておくと、話が追いやすくなります。
数学が苦手な人は、公式を覚えるのが大変かもしれません。
そんなときは、公式を書いたカードを作って、筆箱に入れておくと便利です。
必要なときにすぐ見られるので、安心感があります。
英語が苦手な人は、単語を覚えるのが大変かもしれません。
単語帳を作るときは、イラストを描いたり、自分なりの覚え方のヒントを書いたりすると、記憶に残りやすくなります。
休み時間の過ごし方を自分なりに決めておく
休み時間は、本来は休むための時間です。
でも、発達障害のある人にとっては、休み時間がかえって疲れる時間になってしまうことがあります。
周りの友達と話したり遊んだりするのは楽しいこともありますが、毎回そうする必要はありません。
疲れているときは、静かに本を読んだり、ぼーっとしたり、保健室や図書室に行ったりしても大丈夫です。
「休み時間はこう過ごさなければいけない」というルールはありません。
自分が一番落ち着ける過ごし方を見つけて、それを大切にしましょう。
友達に「ちょっと疲れたから静かにしていたい」と伝えるのも、悪いことではありません。
つらい気持ちを軽くする「考え方のコツ」

ここでは、気持ちが少し楽になる考え方のコツを紹介します。
考え方を少し変えるだけで、同じ状況でも感じ方が変わることがあります。
「みんなと同じ」でなくてよい理由
学校にいると、「みんなと同じようにしなければいけない」と感じることが多いかもしれません。
でも、本当は「みんなと同じ」である必要はありません。
人はそれぞれ違います。
得意なことも、苦手なことも、好きなことも、疲れやすいことも、みんな違います。
だから、「みんなと同じようにできない」からといって、自分がおかしいわけではないのです。
大切なのは、自分に合ったやり方を見つけることです。
周りの人がどうしているかよりも、「自分はどうすれば楽に過ごせるか」を考えてみましょう。
無理な日は60%くらいの力でいい
毎日100%の力を出し続けることは、誰にとっても難しいことです。
特に発達障害のある人は、疲れやすいので、毎日全力でがんばり続けるのは無理があります。
調子が悪い日や疲れている日は、60%くらいの力で過ごしてもよいのです。
全部の授業をしっかり聞けなくても、ノートが少ししか取れなくても、それでいいのです。
「今日はこれくらいでいいや」と思えると、気持ちが楽になります。
完璧を目指さなくても、少しずつ進んでいけば大丈夫です。
イヤなことは小さく分けると取り組みやすい
苦手なことや面倒なことは、一度に全部やろうとすると、とても大変に感じます。
でも、小さく分けて考えると、取り組みやすくなります。
たとえば、「夏休みの宿題を全部やる」と考えると気が重くなりますが、「今日は漢字ドリルを1ページだけやる」と考えると、できそうな気がしませんか?
大きな仕事は、小さな仕事に分けることができます。
そして、小さな仕事をひとつずつこなしていけば、いつの間にか大きな仕事も終わっています。
焦らず、少しずつ進めていきましょう。
得意なこと・好きなことに時間を使う意味
学校では、苦手なことばかりやらされているように感じるかもしれません。
でも、得意なことや好きなことに時間を使うことも、とても大切です。
好きなことをしているときは、自然とエネルギーが湧いてきます。
気持ちが前向きになったり、「自分にもできることがある」と感じられたりします。それが、学校生活を乗り越える力になります。
絵を描くこと、ゲームをすること、音楽を聴くこと、動物と触れ合うこと、何でもかまいません。
自分が好きなことに時間を使うことを、大切にしてください。
つらい時の「自分だけの合図」を決めておく
つらい気持ちになったときに、自分を落ち着かせる方法を持っていると、とても役に立ちます。
たとえば、深呼吸を3回する、手のひらをぎゅっと握って開く、好きな歌の歌詞を心の中で唱える、といった方法です。
これは「自分だけの合図」のようなものです。
この合図を使うことで、「今、自分はつらいんだな」と気づくことができます。
そして、少しだけ気持ちが落ち着きます。
合図は、周りの人に気づかれないものが良いでしょう。
自分にとって心地よい方法を、いくつか試してみてください。
勉強がしんどいときの乗り越え方

勉強が苦手だったり、授業についていくのが大変だったりする人は多くいます。
ここでは、勉強を少しでも楽にするためのヒントを紹介します。
授業の内容を全部理解しなくてもよい
授業の内容を全部理解しなければいけない、と思っていませんか?
でも、実際には、全部を理解できている人はほとんどいません。
みんな、分かるところと分からないところがあります。
大切なのは、「分からないところがあっても大丈夫」と思うことです。
全部を理解しようとすると、かえって疲れてしまいます。
まずは、自分が理解できるところを増やしていく、という気持ちで取り組んでみましょう。
分からないところは、後で友達や先生に聞いたり、家で調べたりすればよいのです。
授業中にすべてを理解しようと焦る必要はありません。
ノートより「考え方」をつかむほうが大切
きれいなノートを取ることよりも、「この問題はこう考えるんだな」という考え方をつかむことの方が大切です。
ノートに書くことに集中しすぎて、内容が理解できなかったら、意味がありません。
先生が説明しているときは、まず話を聞くことに集中しましょう。
そして、「なるほど、こういうことか」と思ったら、それを簡単にメモします。
後で見返したときに、「ああ、こう考えるんだったな」と思い出せれば、それで十分です。
ノートは、後で自分が見返すためのものです。
他の人に見せるためのものではありません。
自分が分かればよいのです。
宿題は一気に終わらせず、分けて取り組む
宿題を一気に終わらせようとすると、とても疲れます。
特に発達障害のある人は、長時間集中し続けるのが難しいことが多いです。
だから、宿題は少しずつ分けて取り組むのがおすすめです。
たとえば、帰ってすぐに少しやって、夕食後にまた少しやる、という感じです。
一度に10分だけでもよいので、何回かに分けてやってみましょう。
また、簡単なものから始めると、気持ちが楽になります。
「これならできる」と思えるものからやって、だんだん難しいものに取り組んでいくとよいでしょう。
定期テストはやり方を知れば楽になる
定期テストは、とても大変に感じるかもしれません。
でも、やり方を知れば、少しは楽になります。
まず、テストの範囲を確認します。
そして、その範囲の中で、「ここは分かる」「ここは分からない」と分けてみましょう。
分からないところを中心に勉強すると、効率がよくなります。
また、テストの前日に一気に勉強するのではなく、2週間くらい前から少しずつ勉強すると、負担が減ります。
1日10分でもよいので、毎日少しずつ取り組んでみましょう。
過去に出た問題や、教科書の練習問題を解いてみるのもおすすめです。
同じような問題が出ることが多いので、練習しておくと安心できます。
自分に合った学び方を見つけるヒント
人によって、学びやすい方法は違います。
教科書を読むのが得意な人もいれば、絵や図を見る方が分かりやすい人もいます。
声に出して覚える人もいれば、書いて覚える人もいます。
自分に合った方法を見つけるには、いろいろ試してみることが大切です。
たとえば、歴史の年号を覚えるときに、声に出して覚えてみる、絵に描いてみる、語呂合わせを作ってみる、といろいろ試してみましょう。
そして、「これが一番覚えやすいな」と思った方法を、これから使っていけばよいのです。
周りの人がどうやっているかよりも、自分に合った方法を大切にしてください。
つらい時は誰かに伝えてもよい

ひとりでがんばり続けるのは、とてもしんどいことです。
つらいときは、誰かに話してもよいのです。
少し話すだけで楽になることがある
つらい気持ちを誰かに話すと、少しだけ気持ちが軽くなることがあります。
相手が解決策を教えてくれなくても、ただ「そうなんだね」「大変だったね」と聞いてもらうだけで、楽になります。
話す相手は、親や兄弟、友達、先生、スクールカウンセラーなど、誰でもかまいません。
信頼できる人に、少しだけ話してみましょう。
全部を話す必要はありません。
「最近、学校がしんどいんだ」
「授業についていくのが大変で」
といった短い言葉でも十分です。
自分の気持ちを言葉にすること自体が、心を軽くしてくれます。
話すのが苦手な子でもできる伝え方
話すのが苦手な人は、無理に口で説明しなくても大丈夫です。
手紙やメモに書いて渡す、メールやメッセージで送る、といった方法もあります。
たとえば、
「授業中、音が気になって集中できません」
「黒板を写すのが間に合いません」
「友達との会話で疲れてしまいます」
など、困っていることを箇条書きにして書くだけでもよいのです。
また、この記事を見せながら、「自分もこんな感じなんだ」と伝えるのもひとつの方法です。
自分の言葉で説明するのが難しいときは、何か資料を使って伝えるのも良い方法です。
先生に言いにくい時はどうするか
先生に直接言いにくいときは、別の大人を通して伝えてもらう方法があります。
たとえば、親から先生に伝えてもらう、スクールカウンセラーや保健室の先生に相談してから担任の先生に伝えてもらう、といった方法です。
また、連絡帳や手紙で伝える方法もあります。
面と向かって話すのが苦手でも、書いて伝えることならできるかもしれません。
「こんなこと言ったら迷惑かな」と心配する必要はありません。
先生は、あなたが困っていることを知りたいと思っています。
伝えることで、先生もどうサポートすればよいかが分かるのです。
小さな困りごとも伝えてよい理由
「これくらいのこと、我慢しなきゃ」と思っていませんか?
でも、小さな困りごとでも、積み重なると大きな負担になります。
たとえば、
「教室の窓際の席だと外の音が気になる」
「背の高い子の後ろの席だと黒板が見えにくい」
といった小さなことでも、毎日続くとつらくなります。
こうした小さな困りごとは、伝えることで解決できることもあります。
席を変えてもらう、イヤホンをつけることを許可してもらう、といった工夫ができるかもしれません。
「これは言ってもいいのかな」と迷ったら、とりあえず伝えてみましょう。
伝えることで、何か変わるかもしれません。
まとめ
中学校がしんどく感じるのは、あなたが悪いからではありません。
環境が変わったこと、授業のスピードが速くなったこと、音やにおいなどの刺激が多いこと、人間関係が複雑になったことなど、いろいろな理由があります。
発達障害やグレーゾーンの特性を持つ人にとっては、こうした変化が特に大きな負担になることがあるのです。
でも、学校生活を少しでも楽にするための工夫はたくさんあります。
朝の準備を見える形にする、ノートは全部書かなくてもよいと考える、休み時間は自分なりに過ごす、宿題は分けて取り組む、といった小さな工夫が、毎日を少しずつ楽にしてくれます。
完璧を目指さず、60%くらいの力で過ごす日があってもよいのです。
そして、つらいときは誰かに伝えてみてください。
話すことが苦手なら、書いて伝える方法もあります。
小さな困りごとでも、伝えることで何か変わるかもしれません。
ひとりでがんばり続ける必要はありません。
周りの人に助けを求めることは、恥ずかしいことでも悪いことでもないのです。
この記事で紹介した工夫を、全部やる必要はありません。
できそうなものから、ひとつずつ試してみてください。
そして、自分に合った方法を見つけていってください。
少しずつでも、毎日が過ごしやすくなることを願っています。
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