ASDのある中学生はグループワークが苦手?話し合い・役割分担で困ったときの対処法
グループワークで、「意見はあるのに、いつ話せばいいかわからない」「みんなが動き始めたけれど、自分は何をすればいいのだろう」と戸惑うことはありませんか。
言いたいことを考えているうちに話題が変わり、何も言えないまま終わってしまうこともあるかもしれません。
参加したい気持ちがあっても、発言の順番や担当する作業がはっきりしていないと、動き出しにくいことがあります。
自分だけで何とかしようとせず、話し合いの進め方を変えてもらうことも、参加しやすくする方法の一つです。
この記事では、グループワークで困ることのある4つの場面を取り上げ、その場で使える短い言葉や、先生に手伝ってもらえることを紹介します。
- いつ発言すればいいかわからない
- 役割分担が曖昧で、何をすればいいかわからない
- ほかの人の意見が次々に出て、話についていけない
- 自分の考えを伝えたつもりでも、うまく伝わらない
目指すのは、どんな話し合いでも上手にこなせる人になることではありません。
あなたが困っている場面を見つけ、その場で使えそうな言葉や参加方法を一つ選ぶことです。
ここで紹介する会話やメモは、公的資料の支援の考え方を参考にした実践例であり、すべての人に同じ効果が確かめられた方法ではありません。
自分に合いそうなところから読んでみてくださいね。
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ASDのある中学生がグループワークを苦手に感じるのはなぜ?

ASD(自閉スペクトラム症)の特性によって、言葉にされていない発言の順番や、曖昧な指示の意味をつかみにくいことがあります。
ただし、ASDのある中学生全員がグループワークを苦手とするわけではなく、困る場面も必要な手助けも人によって異なります。
発言のタイミングや相手の意図をつかみにくいことがある
話し合いでは、誰かが発言し終わると、次の人がすぐに話し始めることがあります。
「次は誰が話す」と決まっていない場合、声の調子や間の取り方などを手がかりに、自分の番を判断する必要があります。
その判断がしにくいと、話す内容は決まっていても、言い出すところで止まってしまいます。
また、「これでいいかな」という言葉が、意見を求めているのか、決定を確認しているのか迷うこともあります。
こうした言葉の意味は、その前のやり取りや話し方によって変わるため、短い一言でも判断に時間がかかる場合があります。
国立特別支援教育総合研究所の状況にあった応答をするための指導・支援では、曖昧な表現の理解など、どこに難しさがあるかを見極め、具体的な言葉で質問する支援が示されています。
「ASDだから相手の気持ちはわからない」と決めつけるのではなく、何が言葉になっていないために困ったのかを確かめることが大切です。
たとえば、「これでいいかな」に返事ができなかったなら、「案への意見を聞かれているのか、決定してよいか聞かれているのか迷った」と整理できます。
それがわかれば、「まだ別の案を言ってもいい?」という確認につなげられます。
予定外の発言や曖昧な役割分担に戸惑うことがある
「みんなで相談してまとめて」と言われたとき、何から始めて、どの状態になれば終わりなのかが見えにくいことがあります。
途中で別の案が出たり、担当が変わったりすると、それまで考えていた進め方を組み直す必要もあります。
同研究所の集団場面に入れるようにするための指導・支援では、活動が曖昧なのか、始まりや終わりの見通しが持てないのかなど、複数の要因を確かめることが示されています。
困りごとをすべてASDのせいにせず、活動の説明や周りの環境も一緒に見直す考え方です。
自分の場面を振り返るときも、「グループワーク全部が無理」とまとめず、「順番は決まっていた?」「担当は作業までわかっていた?」「途中で何が変わった?」と分けてみると、必要な手助けを探しやすくなります。
同じメンバーでも、順番に話す日は参加できて、自由に発言する日は入りにくいなら、発言の進め方を変えることが対策の候補になります。
発達障害情報・支援センターも、その人自身に目を向け、一人ひとりに合った支援を考えることを大切にしています。
診断名だけで参加方法を決める必要はありません。
「いつ発言すればいいかわからない」ときはどうする?

発言のタイミングがつかめないときは、短い言葉や合図で「話したい」と知らせ、順番を確かめる方法があります。
それでも入りにくい場合は、司会役に順番を決めてもらったり、意見を紙で渡したりする方法に切り替えられます。
話に入るタイミングがつかみにくいのはなぜ?
発言の順番が決まっていない話し合いでは、「前の人が終わったら話す」と考えていても、少しの間に別の人が話し始めてしまいます。
考えを言葉にする時間と、話に入るタイミングを判断する時間が重なると、さらに入りにくくなることがあります。
文化祭の出し物を決める場面を考えてみましょう。
「クイズがいい」「展示もよさそう」「教室はどう飾る?」と続いたら、クイズへの意見を考えている間に、飾り付けの話になっているかもしれません。
この場合に必要なのは、もっと早く話す練習だけではなく、意見を出す時間を確保できる進め方です。
「考える時間を少し取ってから、一人ずつ話す形にできる?」と頼む方法もあります。
自分から全員に言いにくければ、始まる前に先生や司会役に相談できます。
発言する前に使える短い言葉を用意しておこう
話し始める一言は、長く用意しなくてもかまいません。
相手の話が一区切りついたときに、「今、一つ意見を言ってもいい?」と伝える方法があります。
たとえば、次のようなやり取りです。
友達:「展示にするなら、写真を集めたいね」
自分:「今、一つ意見を言ってもいい?」
友達:「うん、どうぞ」
自分:「写真だけでなく、実物も置く案はどうかな」
いきなり説明を始めるよりも、先に話したいことを知らせると、周りも聞く準備をしやすくなります。
話が重なったときは、声を大きくして続けなくても、「先にどうぞ。その次に話したいです」と順番を残す方法があります。
声を出すきっかけがつかめない場合は、手を少し上げる、意見を書いた紙を見せるなどの合図も使えます。
ただし、合図の意味が伝わらないこともあるので、事前に「手を上げたら、次に話したいという意味にしてもいい?」と司会役に確認しておくと使いやすくなります。
発言できないまま話が進んだときの対処法
話題が変わっても、必ずしも意見を出す機会がなくなったわけではありません。
「さっきの話について言いたいことがあります」と、どの話に戻りたいのかを先に伝える方法があります。
ここでは、「さっき」の内容を一言添えると、相手が思い出しやすくなります。
「出し物のクイズ案について、一つ足したいことがあります」と言えば、今の話とのつながりも伝わります。
司会役から「今は時間がない」と言われたときは、「決める前に、これを読んでもらえる?」と短いメモを渡す方法もあります。
メモには、案と理由を一つずつ書く程度で十分です。
誰に渡すか迷ったら、司会役や記録係に「班の意見に入れてほしい」と添えて渡せます。
ただし、すでに決定した内容を、毎回最初から話し直せるとは限りません。
「まだ案を追加できる?」と確認し、今回は難しければ、次の話題で発言の順番を取れるよう頼む方法があります。
意見が採用されるかどうかと、話す機会が確保されることは、分けて考えられます。
何度合図しても取り上げられない場合は、自分の言い方だけを直し続けなくてかまいません。
「意見を出そうとしても順番が回ってこない」と先生に伝え、進め方を調整してもらうこともできます。
「役割分担が曖昧で何をすればいいかわからない」ときはどうする?

役割分担がわからないときは、係の名前だけでなく、「何をするか」「どこまでできたら終わりか」を確認すると動き出しやすくなります。
役割が決まらないままなら、範囲の小さい作業を提案し、ほかの人と重なっていないかを確かめる方法があります。
「みんなで考えて」と言われても動き出せない理由
「みんなで考えて」には、個別の担当がまだ含まれていません。
案を出すのか、資料を探すのか、紙にまとめるのかが決まっていなければ、何から始めればよいか迷うことがあります。
また、係の名前があっても、仕事の中身が共有されているとは限りません。
「記録係」と聞いて、すべての発言を書くと思う人もいれば、決定事項だけを書くと思う人もいます。
「まとめる係」も、意見を整理するのか、発表原稿を完成させるのかで作業が違います。
そのため、係になった後で手が止まったとしても、「役割が決まったのに、なぜできないのだろう」と一人で抱え込まなくて大丈夫です。
自分が理解している担当と、周りが考えている担当が合っているかを確かめる余地があります。
自分の担当をはっきりさせるための聞き方
最初は、「私は何を担当すればいい?」と聞けます。
希望する作業があれば、「記録係をしてもいい?」と提案する方法もあります。
役割が決まったら、わからない部分だけ追加で確認します。
毎回たくさん質問する必要はなく、作業を始めるために足りない情報を一つ聞くところからでかまいません。
たとえば、地域の防災について調べ、班で発表する場面なら、次のように確かめられます。
| 曖昧な担当の伝え方 | 確認に使える言葉 | 確認後の作業の例 |
|---|---|---|
| 「避難について調べて」 | 「避難場所を調べるのでいい?」 | 学校の近くの避難場所を調べる |
| 「資料をまとめて」 | 「発表用の紙に、見出しと説明を書く担当?」 | 決まった内容を発表用の紙に書く |
| 「記録をお願い」 | 「出た案と決まったことを書けばいい?」 | 案と決定事項を分けて残す |
| 「できるところまでやって」 | 「避難場所を二つ書いたら、一度見せればいい?」 | 二つ書いた時点で班に確認する |
特に、終了の目安が曖昧なときは、「これができたら、一度見せればいい?」という聞き方が使えます。
最後まで一人で完成させるのか、途中で確認するのかがわかるだけでも、作業の進め方が変わります。
返事を聞いたら、「では、私は避難場所を二つ調べて、この紙に書きます」と短く言い返す方法もあります。
聞いた内容を覚えるためだけでなく、担当の受け取り方が合っているかを、その場で確かめられます。
役割が決まらないときに自分からできること
全員が「どうする?」と言ったまま止まっているなら、「出た案をこの紙に書く担当をしてもいい?」のように、一つの作業を提案できます。
班全体を仕切ったり、残った仕事を全部引き受けたりする必要はありません。
すでに誰かが同じ作業をしていたら、「私は理由の部分を書くのでどう?」と範囲を分ける方法があります。
確認せずに作業を始めると重なることがあるため、短く相談してから動けると安心です。
担当を終えた後、次に何をすればよいかわからない場合は、「ここまでできました。次は何をしますか」と伝えられます。
終わったものを見せれば、まだ作業中なのか、次の担当を待っているのかも周りに伝わります。
途中で班の方針が変わった場合は、「今書いているところは、そのまま続けていい?」と確認する方法があります。
国立特別支援教育総合研究所の予定の変更に対応するための指導・支援では、変更前後の予定を見て確認できるようにする方法が紹介されています。
班活動でも、担当表の変更部分を書き直してもらうなど、何が変わったかを残す工夫につなげられます。
「意見が次々に出て話についていけない」ときはどうする?

話についていけなくなったときは、最初から全部思い出そうとせず、「今のテーマ」「出ている案」「決まったこと」を確認すると、途中から参加し直しやすくなります。
メモが負担になる場合は、自分で書き続けるより、班で一つの記録を見られる形にする方法があります。
複数の人の話を聞きながら考える難しさ
話し合いでは、人の話を聞き、内容を整理し、自分の意見を考えることが続きます。
複数の人が同時に話すと、「どの案への返事なのか」「今の一言で決まったのか」がわかりにくくなる場合があります。
たとえば、「写真がいいね」「でも大きくすると見やすいよ」「じゃあ、それで」と続いたら、写真を使うことが決まったのか、大きさまで決まったのか迷うかもしれません。
これは、言葉が聞こえたかどうかだけではなく、何についての発言かが共有されているかという問題でもあります。
音が重なって聞き取りにくいなら、「一人ずつ話してもらえると聞きやすいです」と頼む方法があります。
周りの班の声が大きい場合は、先生に席の位置を相談することもできます。
ASDのある人の感じ方には個人差がありますが、発達障害情報・支援センターの支援者向け資料でも、感覚への配慮や、目で確認できる情報を使う支援が紹介されています。
話の内容を見失わないためのメモの取り方
メモは、すべての発言を記録するためではなく、話し合いの現在地に戻るために使えます。
「誰が何を何回言ったか」よりも、今、班で何を決めようとしているかを残す方法です。
たとえば、文化祭の展示を考える場面なら、次のように書けます。
今のテーマ:展示するもの
出ている案:写真/実物/両方
決まったこと:まだ決まっていない
話が進んだら、「決まったこと」の行だけを「写真と実物の両方」に変えます。
「まだ決まっていない」と書くことにも意味があります。
案として出ただけなのか、決定したのかを区別できるためです。
短い単語だけでも、自分が見てわかれば十分です。
反対に、書くことに集中すると話を聞けなくなるなら、自分用のメモを増やす必要はありません。
記録係に「決まったことを、この紙に書いてもらえる?」と頼み、机の中央など、全員が見られる場所に置く方法があります。
班の記録を見るときは、勝手に内容を変えず、「これは決まったこと? まだ案?」と確認できます。
途中でわからなくなったときに確認する方法
話を見失ったときは、「全部わからない」と伝えるより、今、知りたいことを絞ると相手も答えやすくなります。
テーマがわからないなら「今はどの案について話している?」、決定事項がわからないなら「決まったことをもう一度教えて」と聞けます。
自分:「今は、展示するものを決めているところ?」
友達:「それは写真と実物の両方に決まって、今は置く場所を考えているよ」
自分:「わかった。置く場所について考えればいいんだね」
この確認で、途中の発言を一つずつ聞き直さなくても、今の相談に戻れます。
「もう決まったよ」とだけ言われた場合は、「何に決まったか、一つ教えて」と、答えてほしい内容を示せます。
自分のメモと話が合わなくなった場合は、「私は写真だけだと思っていたけれど、実物も置くことになった?」と聞く方法もあります。
「誰かが間違っている」と指摘するより、自分が受け取った内容を示すと、確認したい点が伝わります。
一度聞いても整理できない場合は、同じ長い説明を繰り返してもらうより、「決まったことだけ、紙で見せてもらえる?」と方法を変えられます。
聞き直すこと自体が言い出しにくければ、先生に「決定した内容を班の紙に残す形にしてほしい」と相談できます。
「自分の考えがうまく伝わらない」ときはどうする?

自分の考えが伝わらないときは、まず何を提案したいのかを一言で示し、必要な理由や具体例を足す方法があります。
相手の反応だけで伝わったと判断せず、どの部分がわかりにくかったかを確認することもできます。
自分では説明したつもりなのに伝わらないのはなぜ?
頭の中ではつながっている話でも、相手には途中の情報が伝わっていないことがあります。
理由から話し始めて結論が後になる、いくつもの案を一度に説明する、「それ」「あれ」が何を指すのかわからない、といったすれ違いです。
たとえば、「前にそうだったから、こっちのほうがいい」と言っても、相手が「前に何があったのか」を知らなければ、判断する手がかりが足りません。
自分には明らかなつながりでも、相手には初めて聞く情報ということがあります。
こうしたすれ違いは、ASDのある人だけに起こるものではありません。
また、説明する側だけが工夫すれば必ず伝わるわけでもなく、聞く側が質問したり、途中で確かめたりすることも役立ちます。
「何を言っているかわからない」と返されたときは、説明全体をもう一度繰り返す前に、「案がわかりにくかった? 理由のところ?」と聞く方法があります。
わかりにくかった箇所が絞れれば、そこだけ言い直せます。
「結論→理由→具体例」の順番で伝えてみよう
説明が長くなりやすいときは、「何を提案したいか→なぜそう思うか→場面の例」の順に整理する方法があります。
最初に話の行き先を伝えると、その後の説明が何のためのものかが相手にわかりやすくなります。
文化祭のクイズで、答えの見せ方を提案する場面を比べてみましょう。
提案の内容をつかみにくい説明
「去年、後ろのほうに座ったとき、前が見えなくて、声も重なっていたし、問題によっては文字が小さかったから、今度はそうじゃないほうがいいと思う」
提案から始める説明
「答えは大きな紙に書いて見せる案がいいです。後ろの人にも伝わりやすいからです。たとえば、答えを言うときに、その紙も一緒に見せます」
後の説明では、最初の一文で提案がわかります。
「去年の困った経験を話したい」のか、「今回の方法を提案したい」のかを、聞く側が探しながら聞く必要が減ります。
ただし、どの発言でも3段階すべてをそろえる必要はありません。
「私は写真を使う案に賛成です」の一言で伝わる場面もありますし、理由を聞かれた後に答える方法もあります。
話す前に長い文章を完成させようとして発言できなくなるなら、まず結論の一文だけをメモする形でもかまいません。
相手に伝わったか気になるときは、「紙を見せる方法を提案しているんだけど、そこは伝わった?」と内容を確かめられます。
「わかった?」だけより、どこを確認したいのかがはっきりします。
なお、内容が伝わっていても、相手が別の案を選ぶことはあります。
賛成してもらえなかったことと、説明が伝わらなかったことは同じではありません。
意見が違うときに使える言い方
意見が違うときは、無理に同意しなくても、自分が気になる点を伝えながら話を続けられます。
相手の案全体を「だめ」とするより、どの部分を相談したいのかを示す方法です。
たとえば、友達が「展示するものを全部机に並べよう」と言ったとき、通り道が狭くなることが気になるなら、こう伝えられます。
「全部見せたいのはわかるけれど、通り道が狭くなるのが気になります。一部を壁に貼る方法はどうかな」
相手の考えを受け止める言葉は、賛成したふりをするためのものではありません。
「たくさん展示したいことは理解した。そのうえで、通り道を相談したい」と、話し合う点をそろえるために使えます。
自然に言えなければ、「私は通り道を広くしたいです」と自分の意見から始めてもかまいません。
別の方法がすぐに思いつかなくても、「その案だと、通り道はどうなるかな」と質問できます。
反対するなら必ず代案を完成させなければいけない、ということではありません。
意見が平行線になった場合は、「何を優先して決める? 見せる数と、歩きやすさ?」と、比べる基準を確認する方法もあります。
言い合いになりそうなら、「先生にも、置ける範囲を確認したいです」と相談できます。
自分だけで相手を納得させるところまで引き受ける必要はありません。
グループワークが始まる前に準備できること

事前の準備は、使う言葉を一つ選ぶことと、必要な手助けを具体的に相談することから始められます。
自分の言い方を準備するだけでなく、発言の順番や担当の示し方を変えてもらうことも対策に含まれます。
話し合いで使う言葉をいくつか用意しておこう
たくさんの言葉を暗記する必要はありません。
自分が止まりやすい場面に合わせて、一つか二つ、ノートの端に書いておく方法があります。
| 困りごと | その場で使える短い言葉 | 次に取れる行動 |
|---|---|---|
| 話すタイミングがわからない | 「次に一つ話してもいい?」 | 順番を確かめてから意見を言う |
| 担当の範囲がわからない | 「どこまでできたら、一度見せればいい?」 | 確認する地点まで作業する |
| 話の途中でわからなくなった | 「今、何を決めているところ?」 | 今のテーマを確認して戻る |
| 考えがうまく伝わらない | 「私の案は〇〇です」 | 必要なら理由を一つ足す |
学校で普段使っている言葉に直してもかまいません。
「次、話していい?」のほうが言いやすければ、それで十分です。
使えなかった場合も、「準備したのに失敗した」と結論づけなくて大丈夫です。
言葉を見る余裕がなかったのか、話の間がなかったのか、声では言いにくかったのかで、次に変えられる点が違います。
声で伝える方法が難しかったなら、同じ内容を紙で渡す方法に替えることもできます。
先生に相談するときは困っている場面を具体的に伝えよう
先生には、「どの場面で」「何に困り」「どうしてほしいか」をつなげて伝える方法があります。
「グループワークが苦手です」だけでは伝わりにくい困りごとも、実際の場面を一つ添えると、調整する点が見えやすくなります。
たとえば、発言の順番については、次のように相談できます。
「自由に話す形だと、いつ入ればいいかわからず、意見があっても言えません。最初に一人ずつ話す順番を決めてほしいです」
担当についてなら、「記録係になっても、全部を書くのか決まったことだけを書くのかわからなくなります。担当する作業を具体的に教えてほしいです」と伝えられます。
お願いをいくつもまとめず、次の授業で変えてほしい点を一つにすると、試す内容もはっきりします。
文部科学省の自閉症のある児童生徒の教育に関する資料では、目で確認できる情報を使って、活動の見通しを持ちやすくする支援などが示されています。
担当や手順を紙に書いてもらう相談も、こうした考え方を教室の場面に当てはめた方法です。
口頭で説明しにくい場合は、この相談文を自分の場面に直して、授業の前後にメモで渡せます。
先生が忙しそうなら、「次のグループワークのことで、後で相談したいです」と、話す時間を決めるところからでもかまいません。
また、参加の仕方には、意見を話す以外にも、資料を整理する、出た案を記録する、発表内容をまとめるといったものがあります。
ただし、記録係は話を聞きながら書く必要があり、必ずしも負担の少ない役割とは限りません。
「話さなくてよさそうだから」という理由だけで選ばず、自分がやってみたいか、作業の範囲がわかるかも確かめられます。
たとえば、「今回は資料を整理する係を試したいです。意見は紙で出したいです」と、役割と伝え方を別々に相談することもできます。
一度選んだ役割をずっと続ける必要はなく、次回は別の係を希望できます。
先生には、班の人へどこまで説明してよいかも相談でき、診断名を全員に伝えることを前提にする必要はありません。
相談してもその場では調整が難しかった場合は、「次の時間から、一人ずつ話す方法を試せますか」と、いつ試せるかを確認できます。
自分で伝え続けるのが負担なら、保護者や話しやすい先生に、相談を手伝ってもらう方法もあります。
まとめ|グループワークは自分に合った参加の仕方を見つけよう
グループワークが苦手なときは、困りごとを四つの場面に分けると、自分に合う対処法を選びやすくなります。
発言の回数を増やすことだけを目標にせず、順番や担当をわかりやすくしてもらうことも含めて考えられます。
発言のタイミングがわからないときは、「次に一つ話してもいい?」と順番を確かめたり、紙で意見を渡したりできます。
役割分担が曖昧なときは、担当名に加えて、作業内容と「どこまでできたら一度見せるか」を確認する方法があります。
話についていけなくなったら、すべての発言を追い直すより、今のテーマと決定事項を確かめることで戻れます。
考えが伝わりにくいときは、提案を一言で示してから、必要な理由や具体例を足せます。
次のグループワークでは、あなたが一番困りやすい場面に合わせて、本文の短い言葉を一つだけノートの端に書いておく方法があります。
たとえば担当がわからず止まりやすいなら、「どこまでできたら、一度見せればいい?」を選べます。
その一言を手がかりに、自分に合う参加の仕方を試してみませんか。
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