読書嫌いの小学生にもできる読解力向上のための方法とアドバイス

読書嫌いの小学生にもできる読解力向上のための方法とアドバイス
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「本が好きな子どもに育ってほしい」

これは、子どもが生まれた親御さんの多くからよく聞かれる子どもへの願いです。
そんな願いを持つ親御さんは、お子さんが小さい時からたくさんの絵本を購入し、一日に何冊も読み聞かせをして子どもを本の世界へと導いてあげていることでしょう。

そのため、子どもは小さい頃から本に親しむ機会を持ち、そのまま本の世界に引き込まれる子どももいますが、一方で、絵本よりもその他の遊びに夢中になって次第に本の世界から遠ざかってしまう子どももいます。

「読解力をつけるためには読書量を増やすのがいい」なんて言うのを聞くことがあるかもしれませんが、読書習慣のない子どもにとって読書量を増やすのは簡単なことではありません。
本を読むのを嫌がり、活字離れが進行している子どもに、どうやって読解力をつけてあげればいいのでしょうか。

この記事では、子どもたちに読解力が必要な理由や、本を読むことが苦手な子どもでも今すぐ実践できる読解力向上の方法をご紹介していきます。

「いろいろと情報を集めたけどうちの子どもが実践するにはハードルが高そうだな」と感じた親御さんは、ぜひこの記事を参考に、今すぐ実践できる読解力向上のための方法を試してみてくださいね。

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読解力とは

読解力とは

文部科学省は国際学力調査(PISA調査)において「読解力」を下記のように定義しています。

自らの目標を達成し,自らの知識と可能性を発達させ,効果的に社会に参加するために,書かれたテキストを理解し,利用し,熟考する能力。

引用 : 文部科学省 https://www.mext.go.jp/

この定義だけを読むと難しく感じますが、簡単に解説すると、読解力とは「文章を読んで、その中の情報をしっかりと理解し、何が書かれているのかをきちんと把握する力のこと」です。
この力には、文章から大切なポイントを見つけ出すことや、読んだ内容を使って新しいことを考えだす力も含まれています。

一般的に読解力とは、下記のようなことが例として挙げられます。

物語を読む場合

「三匹のこぶた」という有名な物語を皆さんも一度は読んだことがあるでしょう。
「三匹のこぶた」とは、三匹の兄弟ブタがそれぞれワラ、木、レンガの別々の材料で家を建てますが、ワラと木で家を作った長男と次男はお腹をすかしたオオカミに家を吹き飛ばされ食べられてしまい、レンガで家を作った三男だけは家が吹き飛ばされず、オオカミを撃退するというお話です。

これを読解力を使いながら読み進めたとすると、ただストーリーを追うだけでなく

  • こぶたたちがなぜその材料で自分たちの家を建てたのか
  • それぞれのこぶたの性格はどうだったのか
  • この物語からどんなことが教訓としてわかるのか

など、これらを考えることで物語の深い意味を理解することができます。

説明文を読む場合

教科書で「植物の成長」についての説明文を読んだとしましょう。
これを読解力を使いながら読み進めたとすると、

  • 植物がどのようにして水や光、土から栄養を吸収して大きくなるのか
  • どのような条件で最もよく成長するのか
  • 植物がたくさんの水を必要とする理由は何か
  • 太陽は植物にとってどんな働きをするのか
  • 水分が不足すると植物にどのような影響があるか

などを考えたり、理解したりすることができるようになります。

これらの例から、読解力はただ文字を読むだけではなく、その内容を深く理解し、日常生活でも応用をしていく力であることが理解できます。

読解力はなぜ必要なのか

読解力はなぜ必要なのか

教科書を読み解く力をつけるため

さきほどの読解力の解説の例であげたような「物語を読む場合」や「説明文を読む場合」などの読解力は小学校の国語や理科の勉強などで養われる力です。
それ以外にも、算数の文章問題や社会の教科書の説明文などでも、教科書を読み解く力が必要となります。

学校の先生は、子どもたちと教科書を読みながら子どもたちに分かりやすいよう問題提起をし、子どもたちの理解力だけでなく考える力も養っていることでしょう。

教科書には、多くの新しい情報と知識が含まれており、それらを効率的に学ぶためには、文章の意味を正確に捉え、内容を深く理解する必要があります。

また、教科書は今まで子どもたちが知らなかったような新しい言葉や専門用語を学ぶ機会にもなっています。
こうした言葉を学習することで、言葉の意味や使い方なども理解できるようになります。

コミュニケーションを円滑にするため

私たちは日常生活で会話やメール、テキストメッセージなど、さまざまな方法でコミュニケーションをとります。

例えば、会話の中で相手が何を言っているのかをきちんと理解できない場合、相手の言葉をただ聞き流してしまうと、適切に返答することが難しくなり、話がかみ合わなくなることがあります。

これは、小学生同士の会話であれ、先生からの指示であれ同じです。
相手の話を正しく理解できなければ、友達との会話がスムーズに進まなかったり、先生が伝えた持ち物を忘れてしまうことがあります。

読解力が高まると、友達の言っていることを正確に捉えたり、先生がなぜ特定の持ち物を要求しているのかその理由を理解したりすることができます。

これにより、友達や先生とのコミュニケーション力がアップし、会話がスムーズになり、忘れ物が減るなどの具体的な改善が見られるようになります。

情報を的確にとらえるため

現在は、小学生でもスマートフォンやタブレットなどの電子機器を持つ子どもは多く、小学生のインターネットの利用は身近なものになっています。

皆さんは「ネットリテラシー」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
ネットリテラシーとは、インターネットを安全に賢く使うためのスキルや知識のことです。

インターネットは情報が溢れている場ですが、その中には誤った情報や虚偽の情報も含まれていることがあります。
子どもたちがインターネットを使用する際には、見たり読んだりした内容をすぐに信じるのではなく、その情報が本当かどうかをしっかりと考えるようにする必要があります。

読解力をつけることで、インターネット上の情報が誤りではないか、虚偽の内容ではないか疑いの目で見ることができ、犯罪に巻き込まれる可能性を減らすことができるようになります。

ただし、読解力をつけたとしても、小学生がこれらをすぐに判断できるようになるのは難しいかもしれません。子どもたちには、情報を鵜呑みにせず、インターネットを使う際には、常に警戒心を持ち、内容を確認してから信じる習慣を身につけるように伝えましょう。

インターネットで得られる情報は悪い情報ばかりではありません。
インターネットを正しく使うことで、多くの有益な情報を得ることが可能です。
インターネットから得られる情報をきちんと理解することで、子どもたちの知識や教養が増え、ますます豊かな生活を送ることができるようになるでしょう。

文部科学省の読解力の定義にもあったように、読解力は「書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」のことです。
つまり、文章の理解だけでなく、その意味を考え、自分で使いこなせるようになることが重要になります。

小学生が読解力を高めることは、学校の成績を向上させるだけでなく、個人の教養を深め、将来的なキャリアや日常生活で成功するための重要なステップとなります。

読書嫌いの小学生が実践する読解力向上のための方法とアドバイス

読書嫌いの小学生が実践する読解力向上のための方法とアドバイス

読解力が向上することで、教科書を読み解く力がつき、日常生活が円滑になることを見てきましたが、本を読むことが嫌いな子どもでも読解力を向上させることはできるのでしょうか。

本を読む量を増やせば、もちろん読解力はつくようになるでしょうが、方法はそれだけではありません。
おそらく、読解力のある大人の全てが小さい頃から本を読むことが大好きで、たくさんの本を読んだおかげで読解力がついたというわけではないでしょう。

本を読むことがあまり得意ではない子どもたちが本を読む力をつけていくためには、それに必要な基礎作りをしていくことが必要です。

それでは、読解力向上に向けた基礎作りには、どんな方法が有効なのでしょうか。

親子の会話でコミュニケーションスキルを上げる

読解力を向上させるためには、日常の会話も大切な役割を果たします。
親子の会話を通じて、子どもたちのコミュニケーションスキルを高めることが、読解力向上に繋がります。

具体的な方法と例は下記のとおりです。

日常の出来事を口に出して話し合う

夕食の時間や寝る前の時間を利用してその日に起こったことを話し合うのは、子どもの言語能力と理解力を養います。

例えば、「今日の遠足で楽しかったことはなに?」と聞くことや、子どもの様子を見ながら「何か困ったことがあった?」などと尋ねることで、自分の感じたことを言葉にする練習ができるようになります。

こうした会話を設けることは、子ども自身が今日はどんなことがあったかを思い出すことに役立ち、誰がいつどんなことをしたのかを整理でき、それを言語化して説明する能力の向上にも繋がります。

会話を通じた語彙の拡充

親子の日常会話で新しい言葉や表現を使うことは、子どもの語彙力を自然に拡充させることができます。

例えば、子どもから「鉄棒で逆上がりの練習をしていて、最初は全然できなかったけど毎日お昼休みの時間に練習をしたらできるようになったんだよ」という報告を受けたら、「それはよく頑張ったね。そういうのはことわざで『七転び八起き』って言うんだよ」と教え、ことわざの意味を説明すれば、子どもは自分の経験と関連づけてことわざを学習できるようになります。

親が意識して言葉選びをすることで、子どもはそれらの言葉の意味や使い方を自然と覚えていくことができるでしょう。

感じたことを親子の会話の中で表現する

子どもが「楽しい」「悲しい」というような感情を表現したときは、それをもう少し詳しく説明してもらえるように促します。

例えば、「何が楽しかったの?」「どうして悲しかったの?」といった質問をすることで、子どもは自分の感情を深く掘り下げて考え、より詳細に表現することを学びます。

このように、今日はどんなことが起こったのかを子どもの頭の中で映像化させることで、子どもは会話の文脈を理解し、「親が話す言葉の意味を正確に捉える能力」や「言葉で説明する能力」が養われるようになります。

親子で会話をすることは、小学校低学年のお子さんとでもできる簡単な手段です。
会話の仕方を工夫するだけでも、お子さんの読解力向上に大いに役立つことでしょう。

漫画を活用する

漫画は本を読むことに抵抗がある子どもたちにも、親しみを持って読むことができる読み物です。

漫画にはスポーツを題材にしたものやファンタジーのものなど、さまざまなジャンルのものがあります。
たくさんの漫画を見比べることで、皆さんのお子さんが興味を示すジャンルのものが見つかることでしょう。
興味のあるジャンルを見つけたら、漫画を読み進め、まずは活字を読むことに慣れる練習をしていきましょう。

漫画には文字の他に、今どんなことが起こっているのかを補足してくれるイラストが描かれています。
書かれているセリフの意味が分からなかったとしてもイラストを見ることで何がいいたいのか理解できるようになっているため、活字離れの子どもの読書の導入には有効に活用ができます。

また、子どもが漫画を読みながら笑っていたら、どんな面白いことが書かれていたのか聞いてみるのも子どもの言語能力を高める手段になります。

文字を読むことに慣れていない子どもが漫画を読むことは、読み物に対する興味を引き出しながら語彙力を拡充する効果があります。
漫画は視覚的な情報が豊富で理解しやすく、子どもたちにとって身近な内容のものが多いため、読解の基礎を築くのに適していると言えるでしょう。

親子でテレビニュースを観る

テレビニュースを観ることも、読解力向上のための有効な手段の一つです。

皆さんは、お子さんと一緒にテレビニュースを観ることはありますか。
テレビのアナウンサーが読むニュースは、誰もが理解できるような話の構成でニュースの内容を伝えています。
そこに映像が加わることで、さらに私たちの理解が深まるようになっています。

子ども向けのニュースでない場合、日常会話ではあまり使われない専門的な語彙や表現が含まれ、子どもには分かりにくいかもしれません。
しかし、分からない言葉が出てきた時に、それがどんな意味の言葉なのか親に尋ねたり、辞書で調べたりすることで、新しい言葉を学ぶこともできます。

会話形式の文章だけでなく、ですます調に整えられた文章に聞き慣れることで、教科書に書かれた表現の理解がしやすくなることでしょう。

一般的によく言われている「読書量を増やす」「教科書を音読する」などは、読解力を伸ばすための有効な手段ではありますが、本を読むことに対して抵抗感のある子どもたちにはハードルが高いと感じる恐れがあります。

本格的な読書に入る前に、まずはその基礎作りとして「親子の会話でコミュニケーションスキルを上げる」「漫画を活用する」「親子でテレビニュースを観る」などを試してみてはいかがでしょうか。

会話の内容や文字で書かれている文章を頭の中で映像化できるように訓練をすることは、読解力をつけるためのポイントの一つでもあります。

最初は、身近な親子の会話や、映像やイラストの力を借りながら、読解力向上のための糸口を見つけていきましょう。

読書の基礎作りができたら実践してみよう

読書の基礎作りができたら実践してみよう

漫画で活字を読むことに慣れ、ニュースを観てですます調の表現にも慣れてきたら、少しずつ読書習慣をつけていくようにしましょう。

本の選び方

年齢に合わせて本を選ぶことも重要ですが、読むスキルに応じて簡単な本や絵本から始めても良いでしょう。

図書館に出掛けると、本を読むことがあまり好きではない子どもたちでも、ワクワクするような興味を引くタイトルや表紙の本がたくさんあります。同じぐらいの年齢の子どもが主人公の物語などは、子どもにも共感を得やすく、読みやすいかもしれません。

お子さんがこの本を読んでみたいなと感じられたら、それが読書習慣作りの第一歩になるかもしれませんね。

読書への動機づけ

興味のある本を読むことで、主人公や登場人物の感情に共感し、読解力が向上します

本を読み、「自分もこんなことをしてみたいな」「自分もこんな人間になりたいな」などと感じてくれるようになったらうれしいですね。

読書の進め方

毎日本を読むことを強制するのではなく、お子さんのペースに合わせて読書を楽しむことが大切です
お子さんのペースで少しずつ読書に親しむようにし、読書に慣れてくれば「この主人公は今どんな気持ちなんだろう」「次はどんなことが起こるんだろう」と考えながら読むことができるようになってきます。

考えながら読む力がつけば、教科書を読んだ時でもその文章にはどんなことが書かれているかが理解できるようになります。

親のサポート

お子さんが一人で本を読み終えることができたら、しっかりと褒めてあげ、ぜひどんなストーリーだったのか興味を持って聞いてあげましょう。
それによってお子さんの本の内容を要約する力もついてきますよ。

まとめ

今回は、読解力の必要性や小学生が読解力をつけるために必要な基礎作りの方法をご紹介しました。

本を読むことに抵抗がある子どもたちが国語の教科書を読みながら、物語の主人公の気持ちを読み取ったり、書かれている内容を理解して要約したりする作業はそれほど簡単なものではありません。
そもそも読む力の基礎が備わっていなければ、国語の教科書を読むことですら「長い」「分からない」と感じてしまうかもしれません。

今回紹介した方法は、読書嫌いのお子さんでも今日からすぐに取り組める身近な方法です。

まずは、親子の会話から話を理解する力をつけたり、漫画から活字を読むことに慣れたりしながら、読書に必要な土台作りをしていきましょう。

少しずつ読むことに慣れてきたら、子どもと図書館に行ったり、親が読書をする姿を見せたりしながら、子どもの読書習慣作りをしていくといいでしょう。
それにより、学校の教科書を読む際も、ただ表面的な内容を追うのではなく、背景にある意味や著者の意図を読み取ることが可能になります。

親子で一緒に、お子さんの読解力向上に向けて、さまざまな角度からアプローチしてみてくださいね。

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